
釉薬が棚板へ流れるのを防ぐには、底を拭くだけでなく、釉薬の流れやすさと掛ける厚み、焼成条件を合わせて考えます。流れる効果を持つ釉薬や重ね掛けでは、底から離す範囲を広く取る必要がある場合があります。
その釉薬が動くタイプか確認する
同じ色に見える釉薬でも、焼成時の動きは違います。製品の説明や教室の見本で、使用温度、重ね掛けの可否、垂直面での流れを確認します。釉薬名と塗布条件を記録し、別の製品の塗り回数をそのまま使わないようにします。
例えばMaycoは流動効果のある製品で、作品の下部へ掛けない範囲を設けるよう案内しています。これは全釉薬に同じ余白を指定するものではありません。焼成を依頼する教室では、窯の管理者が決める基準を優先します。
厚い溜まりと底に近い重ね掛けを避ける
刷毛を重ねた所や凹みに釉薬が溜まると、ほかの面より厚くなります。指定の濃さ、回数、浸す時間を守り、表面が乾いた見た目だけで厚みが同じだと判断しません。結晶入りの釉薬などは粒の偏りも確認します。
新しい組み合わせは、本作品より先に同じ土と焼成条件の試験片で確かめます。平たい試験片だけでなく、垂直面でどの程度動くかを見ると、器の側面へ使うときの判断材料になります。
接地面と下端を窯へ入れる前に点検する
通常の棚板へ直接置く作品では、接地する高台などの釉薬を取り除き、下端の余白も確認します。撥水剤を塗っていても釉薬の滴が残ることがあるので、底を見て拭き残しを点検します。
棚板の保護剤や受け皿があっても、流れを防ぐ代わりにはなりません。不明な釉薬を試す際は、窯の管理者へ事前に伝えます。流れた釉薬や棚板を自己判断で削り始めず、設備と粉じんの扱いを含めて指示を受けます。

