
包丁を『押して研ぐか、引いて研ぐか』は、その言葉だけで正解を決められません。刃をどちらへ向け、どの面を研いでいるかによって動きの意味が変わるためです。まず包丁の構造に合うメーカーの図を選び、刃の向きと角度をそろえて読みます。
手の動きと刃先の向きを分ける
体から遠ざける動きを『押す』、体へ近づける動きを『引く』と呼んでも、刃先を手前へ向けるか奥へ向けるかで、砥石と刃先の関係は変わります。違う向きの動画を言葉だけで比較すると、反対の手順に見えることがあります。
左右の面を替えたときにも位置関係が変わります。見本の利き手、刃先、柄の位置を確認してから動きを読み取ってください。片刃の裏側を、両刃の表面と同じように立てて研ぐものとは考えません。
往復の途中で角度を揺らさない
押す瞬間と引く瞬間で柄が上下すると、刃先へ当たる角度が変わります。力をかける方向だけを気にするより、砥石に当てる角度を保って動かせるかを確認しましょう。砥石と台も滑らない状態にします。
貝印の研ぎ方の紹介では、強い力より角度の正確さが重要とされています。回数を増やすために急いだり、往復の端で刃先を立てたりしないでください。初めてなら短い動きで姿勢を確認し、製品に合う説明の範囲で進めます。
研ぎ器の一方向操作と混同しない
溝へ包丁を通す簡易研ぎ器には、引く方向だけが指定されるものがあります。その制約を平らな砥石のすべての研ぎ方へ流用することはできません。道具の構造が違うため、説明も分けて読みます。
方向の理解が曖昧なら、違う方法を混ぜて削り続けず、刃の種類と使う砥石を添えて販売店に確認します。研ぐ面、角度、動きの順にそろえることが先です。指を刃先へ滑らせる確認は必要ありません。

