
アクリル絵の具へ加えられる水の量に、すべての製品と支持体へ共通する上限はありません。水は流れや濃度を変えますが、専用メディウムは樹脂成分も補いながら透明感や粘り、つやなどを調整します。薄くしたい理由から使い分けましょう。
筆運びを軽くするのか、透明な層を作るのか
筆が引っ掛かるので少し流れをよくしたい場合と、透明な色の膜を重ねたい場合では、求める状態が違います。まず少量の絵の具を取り分け、水を少しずつ加えて本番と同じ下地へ試します。
水で薄めるほど垂れやすさや吸い込み方も変わります。紙と下塗り済みキャンバスでは結果が違うため、パレット上で扱いやすいという理由だけで本番の塗膜まで判断しません。
メディウムと遅乾剤を同じものと思わない
アクリル用メディウムには、流動性、厚み、つやなどが異なる種類があります。透明な層を作りたいなら、その目的に合う製品を選びます。乾燥時間を延ばす添加剤は役割が別で、樹脂を補うメディウムの代わりとして大量には使えません。
他社や別系統の材料を混ぜる場合は適合性を確認します。水を加えた配合を長期間保存する前提にせず、必要な量だけ試します。商品名だけでなく、用途と混合方法の説明を読むことが重要です。
乾いてからこすれと重ね塗りを試す
GOLDENの試験では大きく水で薄めても接着を保った条件がある一方、水への敏感さなどが変わる色も報告されています。その結果を、どの絵の具でもどの下地でも同じと読み替えないようにします。
試し塗りを製品の案内に沿って乾かし、次の層を塗ったときの色移り、つや、塗り心地を確認します。必要な性質が得られなければ、水だけで薄め続けず、対応するメディウムを使った試験と比べて決めます。

