
刺繍で玉結びを使わず糸を留めるには、始めの糸端を後の針目で押さえる方法や、裏側の縫い目へ糸をくぐらせる方法があります。厚い結び目を減らせますが、すべての刺繍へ同じ始末が適するわけではありません。図案と布の透け方、使う糸に合わせて選びます。
刺し始めの糸端を裏で押さえる
布の裏へ始末できる長さの糸端を残し、最初の数針がその糸をまたぐ位置へ置きます。表を刺しながら裏で糸端を固定する方法です。途中で糸端が逃げていないか、数針ごとに裏を確認します。
離れた点を一つだけ刺すような図案では、押さえる針目が足りないことがあります。近くに刺す予定がない場所へ長い糸を渡して解決しようとせず、その技法に合う始め方を確認してください。薄い布では濃い糸の透けにも注意します。
偶数本取りでは輪を使う方法もある
同じ色の糸を二本取りで使う場合などは、一本を二つ折りにして輪を作り、裏の輪へ針を通して留める方法があります。二つ折りにした後の本数が図案の指定になるようにします。束全体を折って太くし過ぎないでください。
奇数本取りや色変化のある糸では、同じ方法をそのまま使うと本数や色の並びが変わる場合があります。便利な始め方でも条件を確認し、図案が指定する糸の向きや本数を優先します。
刺し終わりは裏の縫い目へくぐらせる
終わりの糸は、裏にある数目の糸へくぐらせて留めます。表布まで針を突き出さず、刺した部分の裏で収めます。糸を引いて表の模様が縮まないよう、適度なゆとりを保ってください。
軽く動かして留まりを確かめてから余分を切ります。濃い糸を淡い面の裏へ長く渡すと透ける場合があるため、近い色の範囲で始末します。裏が厚い塊にならないよう、同じ場所へ糸端を集中させないことも大切です。

