
手製本の背の糊が割れたら、糊をさらに厚く足す前に、乾いた後の柔軟性と本の開き方を確認します。背が曲がる製本では、その動きについていける接着剤と構造が必要です。どの綴じ方でも平らに180度開けるわけではありません。
接着剤の用途と乾燥後の状態を確かめる
紙が接着できることと、曲げられる背に適することは別です。製本用として柔軟性が案内されているか、使う紙や布へ適合するかを製品情報で確認します。例えばTALASは製本向けに、乾燥後も柔軟なPVA系接着剤を扱っています。
同じ紙の端材へ塗って乾かし、必要な曲げに追従するか試します。表面だけ乾いた状態で判断せず、製品が示す乾燥条件を守ります。劣化や保管不良が疑われる糊は、薄めれば元へ戻ると考えず確認します。
厚い塊と塗り残しを作らない
適合する糊でも、一部へ厚く盛ると乾き方が不均一になり、紙の反りや接着むらにつながります。接着したい範囲へ必要な量を均一に広げ、角や端に塗り残しがないか確かめます。必要量は接着剤と製本方法で変わります。
貼り合わせる材料や道具を先にそろえ、塗った糊が乾き始めてから慌てて合わせないようにします。強度が欲しいからと無条件に重ね塗りするより、その製本で必要な補強材や工程を確認します。
無理に押し開かず、割れた位置を見分ける
糊の層が割れたのか、紙から糊がはがれたのか、紙自体が裂けたのかで対処は違います。背を机へ押し付けて平らに開くと、構造に合わない力が集中する場合があります。開きにくい本は支えを使い、無理な角度まで倒しません。
割れた上へ家庭用接着剤を流し込むと、再製本が難しくなることがあります。練習用なら構造から作り直す選択もあります。大切な本や保存価値のある本は、追加接着の前に製本・保存の専門家へ相談します。

