
水彩は塗った直後より乾燥後に淡く見えることがあります。ただし変化の大きさは色や紙で異なり、一律に何割濃くするとは決められません。本番と同じ紙で濃さを少しずつ変えた見本を作り、乾いた色から選ぶ方法が確実です。
同じ紙と同じ照明で見本を作る
作品の端紙を用意し、一色の絵の具で淡い、中間、濃いという三つの小さな色面を塗ります。混ぜた色なら、その混色を使います。別の紙の色見本だけでは、吸い込み方や紙の白さが違って比較しにくくなります。
塗っている最中の見た目を覚えるため、パレットの濃さや筆に含ませた水量も簡単にメモします。写真を使う場合も、カメラの自動補正による違いがあるので、最終判断は乾いた実物で行います。
薄さと色相の変化を分けて見る
乾いた見本を並べ、欲しい明るさに近いものを選びます。淡くなっただけなのか、混色の青みや赤みまで違って見えるのかを分けると、次に絵の具を足すべきか、混ぜる色を変えるべきかが分かります。
濡れた色を目標の色にぴったり合わせてから本番へ塗ると、乾いたときに差が出る場合があります。見本で確認した濃さを基準にし、本番の広い面を塗る前に必要量を用意します。
薄く仕上がったら乾燥後に重ねる
一度乾いた色が淡いときは、透明な色を薄く重ねる方法もあります。ただし下の色が動く絵の具では、往復してこすると濁りやすいため、端紙で重ねた結果を試してから行います。
最初から濃くしすぎると、紙の白へ戻すのは難しくなります。明るい場所を守り、乾燥後の見本を一枚残しておけば、次回は同じ失敗を避けるための実用的な記録になります。

