
水を多く使うと紙が伸び、凹んだところへ水や絵の具が集まることがあります。水張りはその変形を抑える方法ですが、すべての作品で必須ではありません。紙の厚さ、描く大きさ、水の量に合わせ、まず端紙で波打ちの程度を見ます。
紙を替えるか固定するかを判断する
薄い紙に広い濡れた面を作るほど、変形が作業へ影響しやすくなります。小さな絵を少ない水で描くなら、水彩向けの厚い紙や周囲が接着されたブロック紙で描きやすくなる場合があります。
厚い紙でも大量の水でまったく波打たないとは限りません。使用する紙に空の色面を一つ塗り、乾く前の水だまりと乾燥後の変形を見て、作品に支障があるかで選びます。
乾いた紙のテープ留めと水張りは別
乾いた紙をマスキングテープで机へ留めるのは、主にずれを抑える固定です。水張りでは紙を湿らせて伸ばし、水に耐える板へ周囲を固定した状態で乾かします。乾燥時の収縮を利用するため、作業の順序が異なります。
水に浸す時間や固定材は紙と道具の説明に従います。紙を折ったり無理に引っ張ったりせず、水平に乾かします。長く浸せばよいわけではなく、表面の処理へ影響することもあるので、初めての紙は小片から試します。
描き始めた後の水だまりは慎重に扱う
濡れた作品を強く押さえて平らにしようとすると、色が移動したり紙の表面が傷んだりします。たまった水だけを水分を切った筆の先で吸い、色面をこすらず、次の層は乾いてから塗ります。
次作では同じ構図を小さくする、水量を減らす、水張りを試すなど一つの条件を変えます。水張り済みでも塗り方により一時的なうねりは起こるため、固定だけで水分管理を省かないことが大切です。

