
ペンギンの翼は、空を飛ぶよりも水中を進むことに適した、短く硬いひれ状の形になっています。翼がなくなった鳥ではありません。水中で翼を動かして推進力を生み、海で獲物を探す暮らしに適応しています。
鳥であることと、空を飛べることは別
ペンギンには羽毛があり、卵を産む鳥類です。鳥の中には空を飛ばない仲間もいるため、『飛べないから鳥ではない』とはいえません。分類と移動方法を分けて考えます。
現在のペンギンが空を飛ぼうとして失敗したから翼が変わった、という一羽の経験の話でもありません。長い世代を通じた進化の結果として見る必要があります。
短く硬い翼で、水を押して前へ進む
ペンギンはひれ状の翼を動かし、水中を泳ぎます。胴体は流線形で、水の抵抗を減らす形です。足や尾も進む方向を調整する働きに関わります。水中では、陸上を歩くときとは違う滑らかな動きを見せます。
空気と水では流体の密度が大きく違います。空で体を支えるための大きな翼と、水中で効率よく推進するための翼には、異なる形や強さが求められます。
得意な泳ぎ方は、暮らしの場所とつながる
ペンギンは海中で魚やオキアミなどを探します。種類によって食べ物や潜る深さ、暮らす海域は違うので、一種類の潜水記録をすべてのペンギンの能力として扱わないようにします。
展示で観察するときは、翼を動かす場面と、滑るように進む場面を比べてみましょう。『空を飛べない翼』だけでなく、『水の中で働く翼』として見ると、その形の役割が分かります。

