
回生ブレーキは、減速するときにモーターを発電機として働かせ、列車の運動エネルギーを電気へ戻す仕組みです。発生した電気は、近くの加速中の列車などで使えます。ただし、受け取る側や設備の条件がそろわなければ、いつでも全量を再利用できるわけではありません。
車輪側からモーターを回すと、発電しながら減速する
加速時は電気でモーターを回します。回生時は、動いている車輪側からモーターを回して発電し、そのときの回転を妨げる力を減速に使います。電車を後ろ向きに走らせて止める、という意味ではありません。
この電気を架線側へ戻し、同じ電力系統にいる別の列車が加速などに利用できれば、変電所から新たに受け取る電気を減らせます。発電した電気が無条件に車内の電池へ入るわけではありません。
受け取る列車が少ないと、回生を抑えることがある
近くに電気を必要とする列車がいないと、回生によって架線側の電圧が上がりやすくなります。一定の条件では機器を守るため回生を抑制します。列車本数や、周囲の列車が加速しているか減速しているかも、使える電力量に影響します。
回生が十分に使えない場合にも必要な減速を行えるよう、車両は空気ブレーキなどを組み合わせて制御します。乗客が、回生の有無だけから停止性能を判断するものではありません。
蓄電設備や駅での利用が、電気の行き先を増やす
設備によっては回生電力を蓄電池などへ一時的にため、後で加速する列車へ供給できます。また、回生インバーターで交流に変換し、駅の設備へ供給する方式もあります。どの路線にもすべての装置があるわけではないので、『回生できる車両』と『回生電力を受け取れる設備』を分けて考えましょう。

