
録音した自分の声が普段と違うのは、声が耳へ届く経路が違うためです。話している最中は空気を通る音に加え、体の振動を通じた音も自分へ届きます。通常の録音再生ではその体内側の成分が同じ形では届かず、さらに録音機器や部屋の影響も加わります。
話しているときは二つの経路で聞く
声帯などで生じた振動は、口から空気中へ出て耳へ届くだけでなく、骨や組織を通しても伝わります。自分で話すときの音色は、それらが混ざった聞こえ方です。周囲の人と全く同じ経路ではありません。
そのため再生音を細く感じたり、思っていたより高い声と感じたりすることがあります。ただし感じ方には個人差があり、全員が同じ方向へ違いを感じるとは限りません。声そのものが突然別人になったわけではありません。
録音にも機器と部屋の色が付く
マイクとの距離、向き、部屋の反響、録音時の音量によって収録される音は変わります。再生するスピーカーやヘッドホンも音色へ影響します。録音は他人の聞こえ方を知る手掛かりですが、完全な写しではありません。
声が割れている、周囲の音に埋もれる場合は、まず録音条件を直します。毎回違う端末や距離で録って音色だけを比較すると、発声の変化と機器の違いを混同しやすくなります。
練習では音色の好みと改善点を分ける
同じ短い文章やフレーズを、同じ距離で録音して比べます。最初は声が好きか嫌いかより、言葉の明瞭さ、テンポ、音程など一つの観点を選ぶと、次に試すことが見つけやすくなります。
違和感がある録音でも、直ちに悪い発声だとは判断しません。聞き慣れた自分の声との違いと、実際に直したい箇所を分けて扱います。歌の練習なら、指導者の耳と録音の両方を手掛かりにしましょう。

