
B♭管の楽器で譜面のドを吹くと、実際にはB♭の音が鳴るためです。楽器用の譜面に書かれた音を『記譜音』、実際に聞こえる音を『実音』と分けます。ここでは固定ドの音名を使い、一般的なB♭クラリネットを例に関係を整理します。
B♭クラリネットは記譜より全音低く鳴る
B♭クラリネットの記譜のドは実音のシ♭、記譜のレは実音のドです。同じドの文字でも、楽器用譜面の読みと、ピアノで確かめる実音を混ぜると食い違います。まずどちらを話しているか揃えます。
例えばピアノのドと同じ音を合わせたいなら、B♭クラリネットでは対応する高さの記譜のレを吹きます。音名だけでなくオクターブも一致させ、チューナーが実音表示か移調表示かも確認します。
楽器の種類で移調幅が変わる
B♭という名前は、記譜のドに対して鳴る音名を表す手掛かりです。ただしテナーサックスなどでは、全音に加えてオクターブの差もあります。B♭管ならすべて同じ高さの関係だとは考えません。
アルトサックスは一般にE♭管で、B♭クラリネットと移調幅が異なります。譜面の楽器名、使用する楽器の種類、記譜の慣習を確認し、ほかの楽器のパート譜をそのまま流用しないでください。
合奏では実音か記譜音かを言い添える
合わせる音を伝えるときは『実音のB♭』などと指定すると誤解を減らせます。各奏者は自分の楽器に対応する記譜音へ読み替えます。指揮者の呼び方が分からない場合も、この区別を確認します。
移調済みの自分用パート譜を演奏するときは、通常その譜面の音を読んで対応する運指を使います。さらに頭の中で移調して二重に変えてしまわないよう、譜面の種類を最初に確かめましょう。

