
レタリングは文字の外枠を同じ間隔で並べても、均等には見えないことがあります。斜めの線、丸い輪郭、まっすぐな縦線では、隣の文字との間にできる空白の形が違うからです。定規で位置をそろえた後、空白の見え方を調整します。
まず文字の高さと基準線をそろえる
字間だけを直す前に、下書きの基準線や文字の高さを確かめます。高さや傾きが大きく違うと、間隔の問題に見えても、実際は文字の形がばらついている場合があります。意図した大小や装飾は残し、そろえる部分を決めます。
文字を一つずつ細い紙片へ書くと、描き直さずに位置を動かせます。初めから清書へ進めず、単語全体が収まる幅を見ながら仮置きすると、最後の一文字だけ詰め込む事態を防げます。
輪郭に挟まれた白い形を見る
例えばAとVの間は、斜めの輪郭の組み合わせで大きな空白が見えやすくなります。一方、平行な縦線同士では隙間が帯状になります。左右端の距離を同じにするより、空白が急に広く、または狭く感じる場所を探します。
すべての組み合わせを同じ量だけ詰めるのではなく、気になる二文字を少しずつ動かします。文字の線が接触して別の形に見えないこと、飾りが隣の文字の読み取りを邪魔しないことも確かめます。
単語全体と使う大きさで仕上げる
近くで一組だけ見続けると、全体のリズムを見失うことがあります。少し離れて単語を読み、空白が穴のように見える所や、ひとかたまりに潰れて見える所を確認します。看板なら、実際の用途に近い距離でも見ます。
デジタル文字組みでいうカーニングは文字の組ごとの間隔調整、トラッキングは選んだ範囲全体の間隔調整です。手描きでも、まず組ごとの偏りを直し、その後で全体の広さを整えると、直す目的が混ざりにくくなります。

